802 diamondと802d3について

突然だが、俺はオーディオが好きで、802diamondという、一般的には高価とされるスピーカーを使用している。アンプはgoldmundのtelos200というもので、定価で買えば合計300万ほどのシステムだ。もちろん実際はそんな金額は出せないので、大体この半額くらいを使って中古で機材を揃えた。

ただ音楽を聴くためにこんなバカバカしい物を購入したことに呆れられる事も多いが、音楽を聴くのは自分の唯一の趣味と言ってよく、自室で聞くジャズやテクノは世界で一番いい音だと思っている。

このブログでは人生はつまらんと述べて来たが、いい音でお気に入りの音楽を聴いている時は本当に幸せな気分になれる。世間ではミニマリストといって物を持たない生活に憧れている人も多いようだが、オーディオというのは俺にとってボタンを押すだけで幸福になれる機械な訳で、これだけは手放すことは一生出来ないだろう。

スピーカーもアンプも色々使ってきたが、今のシステムはとにかく細かい音が聞こえるだけでなく、音が空間を満たしていくように広がり、聴覚とそれを感じる脳が自分の限界を超えたレベルで音楽を知覚できている事がわかり、その事に喜びを感じるのみならず、アーティストが意図した音楽の感動を自分の好きな時にに味わう事ができる。俺に限らず、大体のオーディオマニアというのはこのような快楽のために大金をつぎ込んでいるのではないだろうか。

俺は愛車のBMWに乗り込んで思うままにアクセルを踏み、まるで自分と車が一体となったかのようにスピードを上げていくのも好きだ。いい音で音楽を聴くのもこれに通じるものがあるのではないかと思う。つまり、自分の能力を超えた能力を引き出せたという錯覚だ。これはオーディオにおいては聴覚、車では運動能力という所に当てはまる。

さて、ここから本題に入りたいのだが、今日は機会がありb&wの最新スピーカーである802d3を聴く事が出来た。同様に805d3も試聴する事ができた。結論から言えば、805の方はかなり進化を実感出来たが、802の方は劇的な変化を感じられなかった。もちろん両者ともにレベルを上げているのは間違いないが、その値段に見合っているのかは疑問が残るところだ。もし金に困っていなければ新型を買うのだろうが、買い換えるほどかと言われると、自分にはそう思えない。もちろん金が唸るほどあればまた違う考え方をするのだろうが。

もし自由に使える300万ほどの金があったなら、中古でavalonのdiamondなどの毛色の異なるスピーカーを購入したいと思った。まあオーディオは好き好みのある趣味なので考え方は人それぞれだが、それほど金銭的に余裕のない一般人としては、率直に言って150万ほどで購入できる802diamondに軍配が上るのではと思った次第だ。

ただし、上で述べたように音のフォーカスの定まり方やヴェール感など、性能は新型の方が一段優れているとは明らかであると思う。今回のb&wの新型については、805が最も劇的な進化を遂げていると感じたので、将来的に802diamondのダウングレードが必要な時が訪れた際には選択肢に入れたい。あらゆる物について小型化と性能アップは歓迎すべきであり、b&wの新しいスピーカーの更なる技術革新にはこれからも大いに期待したいと思った試聴だった。